加計学園の建築図面に関するコメント
2017年8月23日 今治加計獣医学部問題を考える会
共同代表 黒川敦彦
■概要
当会としては後述のとおり加計学園の建築図面に関して、各種専門家の意見を聞くにあたり現在の計画で獣医学部の建築および学部の設置が進むことに強い危惧を覚える。その大きな理由は以下の通りである。①建築費の水増しとそれによる今治市からの補助金を詐取しようとしているのではないかという強い疑惑がある。②バイオセーフティ偽装、現在計画されている施設・設備は高度なウイルス研究を行うために十分な機能有しておらずバイオハザードのリスクがある。③獣医学研究棟の7階にはワインセラーが設置されたパーティルームが建設される予定であり、ワインセラーに関しても今治市に補助金請求がなされようとしている。
■①建築費の水増しに関して■
【論拠①】
建築エコノミスト、森山高至氏の指摘。
建築の仕様としては鉄骨造、壁は6cmの成形コンクリート版、床は配線・配管などの底上げなしのコンクリート打ち、室内壁・天井は石膏ボードにビニルクロス、何一つ高いものはなく倉庫に毛が生えたような建築仕様である。坪単価で70万円から、高くとも100万円でしょうね。とても150万円するとは思えない。イオンモールなどの商業施設は下手をすると坪45万ぐらいで建築業者は受注することもある。
【論拠②】
Estat>主要な統計から探す>建築着工統計調査>月次>2017年4月>3 用途別、構造別/建築物の数、床面積、工事費予定額>ファイル名:2904b003
7-2市区町村別、用途別(大分類)/床面積>ファイル名:2904b00702
建築棟7棟 30,28㎡ 800,813万円 → 坪単価88万1600円
(今治市建築指導課にて、加計学園の情報であると確認済み。)
加計学園が建築指導課に提出した建築単価と、文科省提出資料にある坪単価150万円とでは、あまりにかい離した建築単価である。
■②バイオセーフティ偽装に関して■
【論拠①:国立研究所OB・Aさんの指摘】
国家戦略特区の石破4条件をクリアしたので新設するというが、実際の施設はそれをまるで満たしていない。「先端ライフサイエンス研究」など「到底無理」の施設内容である。
○先端ライフサイエンス研究などまるでできない「お粗末な」設計
・受精卵、凍結精子等を保存する液体窒素のスペース(換気が必須)が確認出来ない。また、超低温冷蔵庫の設置場所が確認出来ない。
・感染性を有するかもしれない廃液等(糞尿を含める)の処理法が確認出来ない。
・小動物等の安楽死に使用されるCO2ガスの使用スペースが確認出来ず、CO2ガスを保管するスペースが不明。
・基本的な動物実験には、動物愛護を加味した動物の繁殖や飼育、殺処分という一貫した設備が必須だが、それが最初から設計にない。これでは、動物実験どころか、先端研究もまるで出来ない。
○お粗末で手抜きなBSL3実験設備の仕様のため、バイオハザードが100%起きる
新設の加計学園の獣医学部ではトリインフルエンザや口蹄疫、BSEなどへの四国での水際対策をうたい、そのためウイルスを隔離検査できるということで人体に危険なウイルスを取り扱えるBSL3(バイオセーフティレベル3)の実験室を設置することになっている。ところが、加計学園が文部科学省に提出していた設計図面では、獣医学棟の5Fにワンランク下のBSL2実験設備を広い部屋として用意し、その一角にプレハブの簡素なBSL3実験室を設置する予定である。
通常BSL3でウイルスが漏れた場合は、閉鎖の上、劇物のホルマリンなどで施設ごと殺菌消毒を行わなければならない。そのため、通常BSL3実験室は敷地で独立した建物にして隔離して建設するものである。ところが、獣医学部棟全体のどこにも、ウイルス実験で必要な法的規制を受ける、液体窒素の保管場所、毒劇物の保管場所、有機溶媒、等々の保管場所が確認出来なかった。また、解剖学・病理学が組織標本作製に使用する、「ホルマリン」、「有機溶媒」の作業場所も確認出来なかった。これでは、解剖実習、病理研究などがまともに出来ない。
加計学園の設計ではBSL3と同居するBSL2のフロア全体も封鎖・殺菌消毒をしなければならないので、ウイルスが漏れた場合、封鎖範囲が通常のBSL3よりはるかに広くなり、感染事故の拡大が防げない。 しかも、BSL3実験室が教職員の研究室が並ぶ、廊下のそばに置かれており、日常的に常駐する教職員や学生の感染を防げない。
さらに、ビルの5Fにそのような実験室を配置すると、ウイルスが漏れた場合、容易に階下の学生や教職員に感染した空気や廃液が流れ落ち、甚大な感染を引き起こすことになる。 これは、高度なウイルスなどの研究や実験に必要な設備を最初から考慮していないというひどい内容であり、獣医学研究に無知な、政治家や役人をだまして高額な予算を獲得するための「はりぼて」として、設計されたということである。
○トリインフルエンザ対策がまるでできない、チャチな設備
トリインフルエンザのウイルス研究をするのであれば、BSL2やBSL3の実験室にウイルスを感染させたニワトリの受精卵を培養する設備(転卵孵卵器)が必要であるが、それが、加計学園が文科省に提出した設計にはない。獣医学部棟1階ではニワトリ鶏の飼育及びふ化スペース(セッター、ハッチャー)、受精卵の培養スペース、ウイルスを感染させた鶏の飼育スペースが確認出来ない。また、獣医学部棟1階でも高病原性鳥インフルエンザの検査、診断、実験、研究の実施に必要なP3実験室が確認出来ない。結局、最初から高病原性鳥インフルエンザの検査、診断、実験、研究の実施が不可能な設計となっている。
○家畜感染症対策がまるでされていない、ずさんな設計
外部や内部からのウイルスの移動、侵入を防ぐため必須の車両消毒装置の設置がない。洗い場・準備室:実習、実験、研究用の機材の洗浄、滅菌作業の準備場所の整備が不明である。ウイルスの消毒滅菌を行うオートクレブは、BSE専用のものが求められるのに、プリオン対応(130℃)か、プリオン非対応(120℃)か、不明であり、必要な検査や実験が出来ない。
このような重要な部分が検討されず、図面にも見当たらないことから専門家から見ても「バーチャルな獣医学教育、研究環境」であり、ウイルスによる国家防疫や、四国ゾーン防疫などには到底、役に立たないことは明らかである。
■まとめ
加計学園は、先端ライフサイエンス研究や、四国地域の人獣共通感染症の防御などをうたって国家戦略特区の4原則を通過させるために「架空」の実験設備計画で獣医学部新設を認めさせた。実際は、莫大な費用がかかるため、手抜きの設計によってコストを安く浮かせ、差額分を横領する意図が見え見えである。
【論拠②:国立研究所 動物実験施設管理の専門家・Bさんの意見】
○建物全体について
「壁が薄い安無精な設計」で、しかも7F建となっているため、耐震面で問題がある。動物やBSL3設備の安全性が確保されていない。
○獣医学部の教育・研究に使用できないずさんな設計
獣医学部棟の1Fに、動物飼育室をつくるが、各エリアとも狭い。
これでは、遺伝子組み換えマウスを作れるようなスペースになっておらず、「先端研究」どころか「標準的な実験」もまともにできない。ウイルスに汚染される、使用済みケージ、SPF清浄動物、感染動物死体部屋の空気が、同じ狭い廊下を通過する構造となっている。これでレベル3のウイルスを取り扱ったら簡単にバイオハザードがおきる。
※SPF(Specific Pathogen Free)とは、発育に悪い影響をおよぼす特定の病気に 感染していない、健康で清浄な動物のこと。
SPFの前の廊下に「前室」とあるがコレ自体が「インチキ」。ウイルスを外と遮断するため、各部屋に入ってから前室があり、そこで着替えやサンダルの履き替えをするはず。でなければ、一か所で感染があれば、全室で動物をすべて殺処分し滅菌しなければならなくなるからである。こんなSPFでは、微生物学的清浄度はあっという間に保てなくなる。洗浄室が1か所しかなく、しかも検疫や感染エリアから遠い!
これでは、どうやってクリーンやSPFのケージと、検疫や感染エリアのケージを滅菌し搬出できるのか?「まったく」動物実験をわかっていない人が、図面に適当にエリアの名前を書きこんだとしか思えない。
これだけ飼育室があり、外にも中動物飼育エリアがあれば、1階の廊下などは糞尿などで「相当臭くなる」上の方の階の、学生との動線との関係はどうなるのか?
○素人が設計したBSL3設備
P3実験室が1つだけあるが、非常に小さい。研究に必須な冷凍庫やDeep freezer(超低温の冷蔵庫)やインキュベーターをおくスペースが見当たらない。液体窒素保管庫もない。これでは、獣医学部としてのバイオの研究ができない。
ガス管や給排気用の配管はこれではわかりませんが・・・また1Fの感染ルームとの間の「動物の検体や精製ウイルスの運搬」は、普通別にしてウイルス感染を防ぐのが当たり前だが、普通のエレベーターを使用するというのが、おかしい。
○感染防御が、まるでわかっていない人間が設計している
多分、当初はBSL3を稼動せず、無難な実験や実習にとどめるつもりだが、この設計だと将来ABSL3用に改良して使うということは、無理である。今回の設計時点で、きちんとしていなければ、この施設は未来も「先端研究やトリインフルエンザ対策などにマトモに使えない」ことが明らかである。
もっときちんと設計していればずっと多くのお金がかかるところ、この道の専門家が見たら、一発でバレる「インチキ設計」がたくさんある。建築コストをケチって普通の住宅やオフィス程度に作っていることがバレバレである。そうすればお金が余って着服することもできるからだ。
■③ワインセラー設置に関して■
通常1000人程度の規模の大学においてワインセラーを完備するパーティルームを設置する事例は例がない。学生本位の大学ではなく、理事長本位の大学であるように見受けられる。まさに加計学園問題において報道で揶揄されてきた安倍総理と加計孝太郎理事長の男たちの悪巧みがワインに始まりワインに終わろうとしているのではないかと、住民感情としても到底承服できない。
■カンパのおねがい
最後に実は大変心苦しいお願いがございます。私、黒川敦彦、手弁当で2月から加計問題を追いかけてまいりましたが、出張等がかさみ、また、今後の告発等の活動を考えると手弁当では到底やっていけない状況になって来ました。
皆さまがそれぞれに公私ともに大変かと存じます。ご無理の大きすぎない範囲で1000円とかで構いませんのでカンパをお願いできませんでしょうか!
まあ仕方ない、応援してやるよという方、何卒、よろしくお願いいたします!必ず10月末まで、何とかさらに勢いを増して走り切ります!
関わられている運動・選挙においても、カンパカンパで限界に近いとは思いますが、
そういえば、カンパしようと思っていたけど、
できてなかったとか、
あと1000円ぐらいなら良いよとか、
思っていただける方がいらっしゃったら、
でんわ勝手連へのカンパにご協力いただけましたら幸いです!
■カンパの振込先
ゆうちょ銀行 六一八支店
普通 0865969
クロカワ アツヒコ
16150-08659691
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連絡先: 〒794-0038愛媛県今治市末広町4-3-12
TEL: 090-9117-8523
e-mail: atsuhiko.kurokawa@gmail.com
■最新情報はツイッターで流してます。フォローお願いします。
黒川さんの行動力に敬意を表します。
寄付しました。
加計疑惑について懸命に取り組んでいる姿に頭が下がります。今回のメディア放送の内容も大体見ることが出来ました。承認は保留となりましたが、今回の報道内容への対応だったように感じます。一方、ほとぼりが冷めたころに認可する作戦のようにも感じます。解決までは、まだまだご苦労があると思いますが身体には十分気を付けて取り組んでください。腐敗政治が堂々と行われている今は、国民の真意が問われているように感じながらも、行動を起こせなく呟くだけです。政治の腐敗を正してくれることに期待しています。
勇気ある行動に敬服いたします。今、日本国民は一人一人が貴方のように、社会のために立ち上がらなくてはならない時にきています。それは、今、悪い者が公然と悪を行っており、権力によって、告発されないような仕組みを作っているからです。マスゴミは言論の自由を捨て、権力の犬になり果てています。真実は国民に伝えられていません。だから、貴方のような行動が大切なのです。私も支援させてもらいます。既に、貴方が入手した設計図は偽物という情報が流されています。ツイッターの中にまことしやかに嘘を流す輩がいます。権力の腐れ犬でしょう。
バイオハザードが100%起きる、と専門家が懸念を表明しているのが加計・今治「大学」です。今こそ、わが日本国はもっと多くの一般市民がその危険度に目覚めないとならない、といまこそ改めて思います。
それでもツイッター界隈では、まだ今でも科学者を自称する人々から「私は開校に反対ではない」とか「これはもう安全な施設」などなど、社会的な無責任そのもののツイートが続いていたりもします。実際、あの6年半前のフクシマ事故であからさまになってしまいましたが、わが日本国は実際、科学・技術の後進国だったというのが悲しい現実でした。
しかし、あのフクシマ事故の結果としてどれだけの一般市民が福島県を中心として急死したのかすらわが日本国の政治や報道メディアは真実を伝えようとしないまま2017年も終わりに近付いている、それがわが国の悲しい真相のはずです。
そんなわが日本国で今治の獣医学部のようなシロモノが「認可」され開学などすれば、バイオハザードで一体なにが起きるか…。心ある日本国民は今、黒川さんと力を合わせて今治・加計補助金疑惑の真実を国が明らかにすることを求めて行く秋(時)だと改めて思います。